司法書士でない人への相続登記の委任
法律上、登記申請の代理を業として行うことができるのは、司法書士のみとされています。司法書士以外の人が行う司法書士業務を非司行為と言い、処罰の対象となります。
では、司法書士以外の人に、相続登記などを委任するこは一切できないのかというと、そうではありません。法律で禁止されているのは、「業として」行う行為であって、そうでない行為については、認められています。
「業として」とは、事業としてという意味で、言い換えると、お金をもらい今後何度も同じことをする意思をもってということです。実際に1度だけで、複数回行っていなくても、その意思があるのであれば、1回だけの行為でも、違法となります。
したがって、相続登記などを誰かに依頼される場合、知人や親族に委任して代理で登記申請をしてもらうことも可能ですが、それが「業として」行っていると判断されれば処罰されるので、注意が必要です。
岐阜県司法書士会では、過去にされた登記の申請書を定期的に閲覧して、司法書士でない人が代理で登記申請をしていないかを調査していますが、例え1度だけでも、非司法書士が代理人として登記申請をしている場合は、「業として」行ったと判断されるかもしれないので、誤解を避けるためにも、登記申請は、ご自分でされるか、司法書士にご依頼いただくのが無難です。