相続について相談すべき専門家
相続についてお困りの際、司法書士、弁護士、行政書士、税理士などの士業へご相談されると思いますが、どのような場合にどの専門家に相談すればよいか、わかりにくいと思いますので、簡単に説明させていただきたいと思います。
まず、相続人間で遺産分割協議がまとまらないなどのトラブルがある場合は、弁護士の一択となります。士業の中で、法律上、家事代理権を持つのは弁護士だけなので、相続人間でどうしても相続について合意ができずお困りのときは、弁護士にご相談ください。
次に、相続人間で遺産分割の内容について合意ができており、特にトラブルがない場合は、どの士業にご相談されても大丈夫ですが、遺産の総額からみて相続税を申告する必要があることが明白か、申告が必要か不明な場合は、まず税理士にご相談することをお勧めいたします。
最近の法改正により、不動産の相続登記が義務化され、相続発生日から3年以内に相続登記をしなければいけなくなりましたが、相続税の申告はもっと短い10ヶ月以内という期間で行う必要があり、遅れると本来支払うべき相続税より高額の納付をしなければならなくなる可能性も出てくるため、まず相続税の申告を最優先に考える必要があるからです。
税理士は、行政書士の資格も兼ねている人が多いため、相続税の申告と共に、遺産分割協議書の作成などにも対応しており、また、遺産の中に不動産がある場合には、提携の司法書士を紹介してくれるので、相続人間でトラブルがないときは、税理士へのご相談やご依頼で手続きが完結することが多くなります。
また、相続人間でトラブルがなく、かつ、遺産の総額からみて相続税の申告が不要であることが明らかな場合で、遺産の中に不動産がある場合は、司法書士にご相談することをお勧めいたします。不動産の名義を変更する相続登記は、法律上または事実上、司法書士のみが代理申請することが可能だからです。
最後に、相続人間で遺産分割の合意ができており、相続税の申告も必要なく、遺産の中に不動産もない場合は、行政書士にご相談することをお勧めいたします。行政書士は私文書作成のプロであり、しっかりとした遺産分割協議書を作成してくれるので、例えば現金や預貯金の相続手続をするだけで済む場合は、行政書士へのご依頼が最も適しています。
当事務所は、司法書士と行政書士の業務を行っており、相続税の申告が必要な場合には、提携の税理士を紹介させていただきますので、特に相続人間で争いがなく、相続について諸々の手続をご依頼されたいときは、是非ご相談ください。